自動車保険の証券って何に使うの?ペーパーレス化と失くした場合の手続き

自動車保険に加入すると、通常は保険証券という書類が送られてきます。「保険証券って、一体何に使うの?」と疑問に持った人や、「送られてきたのは覚えているけれど、どこに仕舞ったのか忘れてしまった」という人もいるでしょう。そこで、保険証券とは何に必要なものなのか、話題のペーパーレス化や、紛失した場合の手続きなどを紹介します。

自動車保険の保険証券


自動車保険の保険証券は、【証拠証券】に分類され、株券や債券といった有価証券とは区別されます。証拠証券とは、法的な証明を容易にするために発行される書類のことです。自動車保険の場合は、ユーザーが保険会社に申し込みをした契約内容を証明するための、重要な証拠書類となるため、送られてきたら大切に保管しておきましょう。

保険会社から送られてくる証書

自動車保険に加入すると、ユーザーが保険会社と契約した内容を証明する【証書】として、保険証券が発行されます。自動車保険の証券に記されているのは、運転する人や補償対象となる車の情報、各種保険によって行われる補償内容などについてです。自動車保険の証券は、保険会社との契約が成立してから、およそ1週間~10日後にユーザーの元へ郵送されます。

ペーパーレス化が進んでいる

自動車保険に加入すると、通常は紙の保険証券が発行されますが、最近では証券のペーパーレス化が進んでいます。インターネットが広く普及した現在では、自動車保険もネットで24時間いつでも、申し込みから契約まですべての手続きが可能な、<ダイレクト型>の利用者が急増中です。

このような、ネットで手軽に自動車保険に加入できる便利さを上手く利用して、保険会社では保険証券のペーパーレス化を実施しています。保険会社は、ペーパーレス化によって証券発行に掛かる人件費や、印刷代といったコストを削減でき、その代わりに保険料を割引するサービスを行っています。ペーパーレスによって、保険料から割引される金額は500円です。

現在、ペーパーレス割引を行っているダイレクト型自動車保険には、以下のような保険会社があります。

保険証券のペーパーレス割引がある自動車保険

  • ソニー損保
  • イーデザイン損保
  • SBI損保
  • 三井ダイレクト損保

ペーパーレス化を選択したユーザーには、紙の保険証券は送られてきません。証券が必要な時や契約内容を確認したい場合は、各保険会社のWEBサイトにアクセスします。サイトにログインして、契約者のマイページにていつでも確認することができ、手元に保管するために内容を印刷することも可能です。

保険証券のペーパーレス化のメリットとデメリット

  • メリット
    保険会社のWebサイトにログインするための、IDとパスワードがあれば、パソコンやスマートフォンで、証券番号や契約内容をいつでもチェックできて便利。
  • デメリット
    ペーパーレス化しても、保険証券のページを印刷して保管しておけば事足りるので、特にデメリットはありません。唯一、ログインIDやパスワードを忘れたり、パソコンやスマートフォンの破損でデータが失われ、IDとパスワードの確認ができない時だけが心配です。

保険証券の重要な記載内容


自動車保険の保険証券には、ユーザーが加入した契約内容についての情報が記載されています。では、具体的にどのようなことが記されているのでしょうか。その記載内容や、特に重要な事項について説明します。

保険証券の記載内容

自動車保険の証券に記載されるのは、以下の情報です。

  • 保険証券番号
    保険証券番号は、保険料の受け取り、保険の更新や乗り換えといったいろいろな手続きや、自動車保険に関する各種問い合わせなどを行う際に必要です。自動車保険の1契約ごとに、割り振られた番号が証券に記載されています。
  • 保険期間
    保険期間は、契約者が保険会社によって補償が行われる期間を記したもので、保険期間内に補償の対象となる事故が発生した場合に、保険金が支払われます。
  • 契約者情報
    契約者情報は、自動車保険に契約したユーザーの氏名や住所などです。具体的には、記名被保険者(契約車両を主に運転する人)の氏名・住所・免許証の色などが記載されます。
  • 補償される運転者の範囲
    補償される運転者の範囲は、21歳以上や26歳以上といった運転者年齢条件、本人限定や夫婦限定など運転者限定条件についての情報です。ここに記された範囲以外の人が運転した事故の場合は、自動車保険の補償対象にはなりません。
  • 被保険自動車の情報
    自動車保険に契約した、補償の対象になる車両の情報です。契約した車の車名・型式・仕様・登録番号・車台番号などが記載されます。
  • 主な補償内容
    主な補償内容は、保険および特約の付帯があるかないか、保険金額についての情報です。
  • 契約者の保険等級
    保険証券には、保険料の割引や割増し率を示す、契約者のノンフリート等級が記載されています。

保険証券番号

保険証券に記載されている内容で、もっとも重要なのが【保険証券番号】です。自動車保険の1契約ごとに定められた保険証券番号は、契約者本人であることを証明する大変重要なもの。自動車保険の契約期間中に、事故を起こした場合の保険金の支払い、保険の更新や乗り換えなどいろいろな手続きを行う際に必要となります。

ペーパーレス化すれば、手持ちのスマートフォンなどでいつでも確認が可能ですが、念のためにメモなどに控えて車に積んでおけば安心です。

運転者の条件

自動車保険の証券には、補償される運転者の条件も記載されています。年齢条件や、夫婦や家族限定といった補償の範囲についての情報です。自動車保険に加入した際は、万が一のために必ず確認しておきましょう。

保険証券を紛失してしまった場合


自動車保険の証券を、うっかり紛失してしまったら、保険会社に手続きをして再発行をしてもらうことができます。保険証券の再発行手続きについて説明します。

再発行の手続き

自動車保険の証券は、ユーザーが保険に加入した際の契約内容を証明する重要書類のため、もし紛失してしまった場合はすみやかに再発行の手続きを行いましょう。

再発行に必要な情報

保険証券を再発行してもらうには、まず保険会社に紛失したことを連絡し、再発行手続きに必要な【保険証券再発行請求書】を受け取ります。この再発行請求書に、契約者本人であることを示す情報を記入し、本人確認書類とともに保険会社に郵送することで、再発行の手続きが可能です。保険証券再発行請求書に記載する情報と、本人確認のために必要な書類は以下のようになります。

自動車保険証券の再発行に必要な情報と本人確認書類

  • 保険証券の記号番号
    保険証券再発行請求書には、契約者が持つ保険証券の記号番号を記載しなければなりません。保険証券の記号番号は証券に記されていますが、紛失した場合は、保険料を支払った領収書など、保険会社から送られてくる書類に記載してあります。再発行には、必ず証券記号番号が必要となるため、紛失してしまった時にも困らないよう、メモを取るなどしてきちんと管理しておきましょう。
  • 印鑑
    保険証券の再発行には、役所に印鑑登録をされた印鑑(実印)を、書類に押印する必要があります。もし印鑑登録をしていなかった場合は、最寄りの印章店ですぐに作成してもらい、済んでいる地域の役所で即日手続きが可能です。
  • 印鑑証明書
    再発行のための書類に押印した印鑑が、本人のものだと証明するための証明書が必要です。印鑑証明書は、住所地の役所ですぐ発行できるほか、コンビニのマルチプリンターでも発行できます。
  • 運転免許証またはパスポートなどのコピー
    保険証書の再発行には、本人確認のために運転免許証やパスポートなどのコピーが必要です。

これら必要なものをすべて用意して保険会社に郵送すれば、およそ1~2週間後に新しい保険証券が自宅に届きます。注意すべきなのは、保険証券の再発行が可能なのは、1回のみだということです。保険証券は個人情報が記された重要書類ですので、紛失しないようにぜひ気をつけましょう。

災害によって紛失した場合

自動車保険証券は紛失しないよう、車のグローブボックスなどに入れておくのが望ましいですが、例えば津波などの災害によって愛車を失ってしまった場合、保険金の手続きなどですぐに証券が必要となった時は、どうすればよいでしょうか?

こうした緊急時には、保険会社に【契約証明書】の発行を請求することができます。この契約証明書があれば、手続きの際に保険証券の代わりとして使用が可能です。

自動車保険の保険証券が必要な場面


自動車保険の保険証券が必要な場面とは、どのようなケースでしょうか。それぞれの項目について、くわしく説明します。

自動車保険証券が必要な場面

  • 事故の際保険会社に連絡する
  • 保険金の請求をする
  • 契約内容の変更手続きをする
  • 補償内容の確認をする
  • 他の保険会社に乗り換える

事故の際保険会社に連絡する

保険証券が、事故を起こした際に保険会社に連絡を行う【事後連絡】の時に必要なのは、手続き時に証券番号が必要になるからです。そのため、証券に記載された内容を確認するなど、書類自体は必要ありません。だだ事故の時には、証券番号がわかれば手続きがスムーズになります。

保険金の請求

事故の時の、【保険金の請求】についても、手元に証券番号があればスピーディーな手続きが可能です。やはり、万が一の時に備えて、自動車保険の保険証券を車検証などと一緒に車に載せておくか、証券番号を書いたメモを入れておくのが望ましいでしょう。

契約内容を変更手続きをする

引っ越しなどで住所が変わったり、結婚をして苗字が変わった時など、自動車保険の契約内容を変更する必要がある場合も、手続きの際に証券番号が必要です。ですが、保険証券が手元に無くても、パソコンやスマートフォンで、保険会社のWebサイトにアクセスして手続きをすることができます。IDとパスワードでログインをすれば、契約者のマイページで契約内容の変更が可能です。

補償内容の確認

自動車保険に加入した後に、契約した補償内容を確認したい場合は、保険証券があれば一目で分かります。この場合も、Webサイトにログインをして、契約者マイページを見れば確認ができ、保険証券が手元に無くても大丈夫です。

自動車保険の加入時にペーパーレスを選択した場合は、保険証券が発行されていないため、ネット上でしか補償内容の確認ができません。もしもの時のために、必ずページを印刷しておくか、IDとパスワードを忘れないように管理しておきましょう。

他の保険会社に乗り換え

もっと保険料を安くしたい。補償内容やロードサービスなどをもっと充実させたい。このような理由から、他の保険会社に乗り換えたい場合も、保険証券が必要になります。とはいえ、この場合もWebサイトのマイページで現在加入中の保険の契約内容を確認すれば、その条件を元に新たな保険会社へと乗り換えることができます。

ダイレクト型の場合は、ネットで申し込みから契約まですべてが可能で、保険の乗り換えも、自宅のパソコンですべて完結できるのが便利です。

任意保険証書とは違う?


自動車保険の書類には、【任意保険証書】と呼ばれるものがあります。この任意保険証書とはどのようなものなのか?また、自動車保険証券とは別のものなのかについて説明します。

自動車保険証券=任意保険証書

結論から言うと、任意保険証書と自動車保険証券は同じものです。任意保険証書は、車を購入する際には、安心のためにぜひ加入しておくべき【任意保険】の契約内容を証明するための書類です。自動車保険には、すべての車に対して法的に義務付けられている【自賠責保険】と、運転者や車の所有者が、万が一の時のために自ら加入する任意保険とがあります。

自動車保険の証拠証券とは、つまり任意保険証書のことです。

注意点

通勤のため自分の車を使う場合に、会社から任意保険証書を提出することがあります。これは、通勤に使う社員が、その車で任意保険に加入しているか否かを確認するためで、もししていなければ加入するよう求められます。この際には、自動車保険証券をコピーして提出しますが、勘違いをして自賠責保険の証明書を提出しないよう注意しましょう。

自賠責保険は、その車で公道を走るなら、必ず加入しなければならない責任保険ですので、任意保険とは異なります。また、任意保険の更新をしていても、うっかり車の車検を忘れていた場合は、自賠責保険の期限が切れていることになります。

任意保険で補償されるのは、自賠責保険の補償限度額を超えた分になるため、車検を受けたかどうかあいまいな人は、ぜひとも確認をしておきましょう。

まとめ


自動車保険証券は、ユーザーが保険に加入した時の契約内容を記した、重要な書類です。任意保険証書と同じものですが、個人情報が記載されているので、紛失しないようしっかりと管理しておきましょう。保険証券をペーパーレスにすれば、ネットで内容の確認がすぐにできるため、その方が便利な人にはおすすめです。