車が動かない!バッテリー上がりの原因や充電方法・費用をご紹介

昨日まで元気に走っていた車が、今朝になって突然エンジンがかからない!といった経験はないでしょうか。エンジンがかからなくなる原因の一つに「バッテリー上がり」があります。バッテリーが上がるとなぜ車のエンジンはかからないのでしょうか?なぜ車のバッテリーは上がってしまうのでしょうか?それらの原因と対処する方法をご紹介していきます。

車のバッテリーの役割

どんな車でもバッテリーがないと走れなくなるのはなぜなのか?車に搭載されるバッテリーの役割を詳しく説明します。

エンジンの始動

電気自動車の動力はモーターのみでハイブリッド車の動力はモーターとエンジン、ということでどちらにも電気を必要とするモーターが搭載されているので、バッテリーが必要なことは理解できるでしょう。ではなぜ、ガソリンや軽油を燃料として動くエンジンのみの車にもバッテリーが必要不可欠なのでしょうか?

エンジンを始動させる仕組みを知れば理解できます。エンジンはクランクシャフトを回転させて(クランキングと言う)始動させます。車が発明されたころは、エンジンの外からハンドルを付けて手で回してエンジンを始動していました。バイクなら足で始動させるキックがそれにあたります。

現代の車では手で回すことも足でキックすることもせず、「セルモーター」というモーターでクランクシャフトを回転させています。セルモーターはモーターなので電気が必要、すなわちエンジンのみの車でもバッテリーは必要不可欠なのです。さらに、今の車ではガソリンや軽油の燃料の噴射も電気制御されていますので、バッテリーが無ければエンジンは始動できません。

ちなみにハイブリッド車にはバッテリーが2種類搭載されています。ひとつは駆動用モーターを動かすための大型のバッテリーです。これはハイブリッド車や電気自動車にのみ搭載されています。もう一つはエンジン車と同じバッテリーで、ハイブリッド車では補機バッテリーと呼ばれます。補機バッテリーはシステムの始動に使われているので、ハイブリッド車でもバッテリーが無いと走行ができなくなります。

メモリーやバックアップ

とくに最近の車では、エンジンをコンピューターで制御しています。ドライバーの走行を学習し、最適な燃料噴射量などをメモリーしていきます。メモリーをバックアップするには電力が必要となります。エンジンを切った後でも常に電力を供給してくれるバッテリーは必要不可欠なのです。

メモリーやバックアップしているものは他にもあります。時計やオーディオ類の設定をはじめ、後から取り付けた電装機器など。バッテリーが上がってしまったり、取り外すとメモリーやバックアップはリセットされてしまうので注意が必要です。

充電と供給

車にはエンジンの動力を利用して発電するオルタネーターという発電機が搭載されています。エンジン始動後や走行中はオルタネーターが発電し、スパークプラグの点火をはじめヘッドライトやウインカー、テールランプの点灯、パワーウィンドウやワイパー、オーディオやエアコンを作動させるための電力を供給しています。そこで使いきれなかった電力は、バッテリーに充電されます。

多くの電装品を一度に使うことで、オルタネーターの電力だけでは足りない時には、バッテリーからも電力が供給されます。この仕組みから、オルタネーターが発電する電力より消費電力が上回り続けると、バッテリーの電力はどんどん奪われていき、やがてバッテリーは上がってしまいます。消費電力が大きいエアコンを使い続けるとバッテリーが上がってしまうのは、これが理由なのです。

車のバッテリーの構造と仕組み

車のバッテリーの構造と仕組みを理解することで、より具体的に車のバッテリーの働きを理解し、日頃の点検やメンテナンスを正しく行えるようになりましょう。

車のバッテリーの構造

現在の車に使われているバッテリーは12Vのものです。外側が乳白色で中身が薄く見えるバッテリーを見たときに、中が6つに仕切られているのがわかります。また、バッテリーによっては上部に6つの蓋がついています。これはバッテリーが6つの部屋(セルという)に分けられているのです。1つのセルで2V、それが6つで12Vと言うわけです。

各セルには、絶縁防止のためのセパレーターを挟みながら、過酸化鉛の陽(+)極板と海綿状鉛の陰(-)極板が交互に重なって入っています。この極板が多くなるほどバッテリーの性能が高くなります。高性能バッテリーが大型なのはそのためです。また、セパレーターを薄くして極板の数を増やすことで、サイズを変えずに高性能にしているバッテリーもあります。

そして各セルには、バッテリー液(電解液)と呼ばれる硫酸と精製水(蒸留水)を合わせた希硫酸が、バッテリー表面に表記されているロアーレベルとアッパーレベルの間の位置まで入れられています。

車のバッテリーの仕組み

車のバッテリーの役割でご紹介した充電と供給(放電)は化学反応を利用しています。どのような仕組みで行われているのかを具体的にご紹介します。

供給(放電)の仕組み

供給(放電)の仕組みは、セルモーターやライトなど電装品のスイッチをONにして電気の流れが作られると、陽極板の「過酸化鉛」と陰極板の「海綿状鉛」はそれぞれ、バッテリー液の硫酸に反応して「硫酸鉛」に変化していきます。またバッテリー液の硫酸は水に変化していきます。供給(放電)は、過酸化鉛と海綿状鉛が全て硫酸鉛になるまで持続します。

水とバッテリー液の硫酸は「水1:硫酸1.280」と比重が違うことから、比重計でバッテリー液の比重を測ることで、バッテリーの残存電気量を大まかに知ることができます。

充電の仕組み

充電の仕組みは、エンジンの回転を利用して発電するオルタネーターからバッテリーに電気を流し込むと「硫酸鉛」に変化している陽・陰極板は次第に、陽極板は「過酸化鉛」、陰極板は「海綿状鉛」へと戻り、水は硫酸に戻り供給(放電)前の状態へ戻っていきます。

バッテリーが完全充電状態に近くなってくると、バッテリー液の水の分子は電気分解により酸素ガスと水素ガスになり、ガス抜き穴から放出されます。バッテリー液が少なくなるのは、これが原因なのです。硫酸成分はそのままで水だけが減少するので、液の補充は高純度に精製された精製水や蒸留水になるのです。

車のバッテリーが上がる原因

「バッテリーが上がる」という状態は、バッテリーに蓄積されている電力が必要量以下しか残っていない、もしくは全く残っていない状態のことです。バッテリーが上がってしまう具体的な原因をいくつかご紹介します。

長時間のライト類のつけっぱなし

よくあるのが、ルームランプをつけっぱなしにして駐車場へ駐車し翌朝、出勤するのに乗ろうとしたら、セルモーターが回らずエンジンがかからない、という例。最近の車では、ライトやランプの消し忘れを防ぐために、スイッチがONのままエンジンを切ると警告音で知らせてくれますが、古い車では警告装置がないので、スモールランプをつけっぱなしにしてしまう例もあります。

長期間車に乗らず動かさない

平日は全く乗らないけど、週末には乗るというレベルなら問題ないですが、車に乗らず動かしていない期間が、月単位で長期間にわたるとバッテリーは上がります。なぜならバッテリーは使っていなくても、少しずつ放電していくのです。バッテリーのためにも、車はある程度乗って動かす方がコンディションを維持できるものなのです。

長期の低気温状態

車のバッテリーは、化学反応を起こすことで電気を供給(放電)したり、充電したりしています。この化学反応は気温が低いと働きが弱まってしまうため、十分に充電ができなくなります。また気温が低い時には、暖房を酷使してしまいます。暖房によって多くの電気が使われることから、不十分な充電のバッテリーはさらに電力がなくなり、やがて上がってしまいます。

猛暑によるエアコンの酷使

暑い日にはエアコンを使い室内を冷やすのですが、エアコンを動かすコンプレッサーは電気で動きます。コンプレッサーは外気温と指定温度の差が大きいほどたくさんの電力を使って動きます。そのため、猛暑の日が連続で続くとエアコンだけでも消費電力がとても大きくなり、オルタネーターが発電する電力だけではまかなえず、バッテリーの電力もどんどん使用され、やがて上がってしまいます。

オーディオなどの過剰使用

オルタネーターが発電する電力とバッテリーが供給する電力を合わせた電力よりも、オーディオなどが使用する電力の方が上回ると、バッテリーは充電されない上に電力をどんどん使われてしまうため、やがて上がってしまいます。

オルタネーター(発電機)やレギュレーター(電気の調整器)などの故障

オルタネーターが故障したまま車を走行させると、車が必要とする電力は全てバッテリーから奪われるため、いずれバッテリーは上がってしまいます。レギュレーターが故障すると、バッテリーにうまく電力が送られず充電されないためバッテリーは上がってしまいます。まずは故障個所を修理し、バッテリー上がりの原因を改善することが先決です。

配線劣化などによる電力漏れ

配線が古く劣化していることで電力が漏れ(リーク)ると、バッテリーに十分な電力が行きわたらず満足に充電されません。やがてバッテリーは上がってしまいます。配線をそのままにしておくと、またバッテリーが上がってしまうだけでなく、火災などの原因にもなり大変危険です。すぐに配線を新しいものに交換しましょう。

車のバッテリーの充電方法と費用

バッテリーが上がってしまった場合、充電することで回復することがあります。具体的な充電方法とかかる費用をご紹介します。

バッテリーの充電を業者に依頼する場合

自動車ディーラー

愛車を自動車ディーラーで購入した場合、そのディーラーにバッテリー充電を依頼できる場合があります。ディーラーによっては無料で充電してくれる場合もあります。もし、バッテリーが上がってしまったら真っ先にディーラーへ聞いてみるのも手でしょう。

ガソリンスタンド

バッテリーの電力は落ちているが何とか自走できる場合や、自分で車からバッテリーを取り外して何らかの手段で持っていくことができるなら、ガソリンスタンドにバッテリーの充電を依頼することが可能です。費用はだいたい2,000円前後です。バッテリーの状態にもよりますが、充電時間は30分~1時間程度になります。

ロードサービス

JAFをはじめ自動車保険に付帯しているロードサービスを利用して、バッテリーを充電する方法もあります。バッテリー上がりは外出先で起こる場合もあるので、ロードサービスに加入しておくと安心です。費用の一例ですがJAFの場合、会員になるために入会金が2,000円で年会費が4,000円が掛かりますが、一般道・高速道路でのバッテリー上がりの作業は無料です。非会員では13,000円~25,000円もの出費になります。

バッテリー上がりをはじめ、とくにトラブルが起こらなければ毎年4,000円の年会費はもったいないかと思われますが、車には万が一のトラブルはつきものです。車にあまり詳しくない人はお守り代わりに入会しておいた方が良いでしょう。

バッテリーの充電を自分でする場合

救援車を利用する方法

ブースターケーブルを利用して、エンジンがかかる車(救援車)とつなげることでエンジンをスタートさせて、30分ほど走行することで、バッテリーを充電させる方法です。ブースターケーブルはカー用品店などで購入ができます。価格はだいたい1,000円~3,000円が相場です。救援車は、ご近所の方や知り合いの人に協力いただく必要があります。

この方法では、ブースターケーブルの繋げ方に十分注意することです。間違ってしまうとショートしたり、火災を起こしてしまいます。バッテリー上がりの車を「A」、救援車を「B」として説明します。

  1. Aのプラス端子に赤色のブースターケーブルを接続
  2. Bのプラス端子に赤色のブースターケーブルを接続
  3. Bのマイナス端子に黒のブースターケーブルを接続
  4. Aのエンジンブロックに黒のブースターケーブルを接続

最後だけエンジンブロックに繋げる理由は、火花が飛ばないようにするためです。Bのエンジンをかけ回転数を3000回転ほどに保ち、Aのエンジンを始動させます。ブースターケーブルの取り外し手順は取付の全く逆になります。取外しでも順番を間違うと危険ですので気を付けてください。

ジャンプスターターを利用する方法

救援車に頼らない方法として、ジャンプスターターを利用してエンジンをかける方法があります。ジャンプスターターは、カー用品店やネット通販で購入することが可能です。価格はだいたい5,000円~10,000円が相場です。頼れないとわかってから購入するのでは遅いので、ジャンプスターターは事前に購入しておきましょう。

接続方法は、救援車の繋げ方で救援車をジャンプスターターに置き換えます。接続が完了したら、電源を入れてセルモーターを回します。エンジンが無事に掛かれば完了です。取外し方も救援車と同じで、マイナス端子を先に外してから、プラス端子を外します。

すぐにエンジンを切ってしまうと、バッテリーは十分に充電されずセルモーターが回らず、またエンジンがかからなくなってしまいます。エンジンが掛かったらそのまま走行し、オルタネーターで発電した電力をバッテリーに充電させます。だいたい30分ほど走行を続けるようにしましょう。

バッテリー充電器を利用する方法

バッテリー充電器を購入してバッテリーを充電する方法です。バッテリー充電器は、安いものなら1,000円台からありますが、最低でも5,000円以上から選ぶ方が無難でしょう。性能や安心を求めるなら10,000円以上の有名なブランドのものを選べば間違いないでしょう。

バッテリーを車に積んだままでも充電が可能ですが、その場合は近くにコンセントが必要になります。近くにコンセントが無い場合は、車からバッテリーを取り外してバッテリー単体で充電を行います。高速充電はバッテリーに負荷をかけるため、すぐに車を使う必要がある場合だけにし、ほぼ1日かかりますがバッテリーに負担が少なくほぼ満充電できる普通充電で行いましょう。

まとめ

とくに外出先でバッテリーが上がってしまうと大変困ってしまいます。そうならないためにも普段からバッテリーにも気をかけて、自分の使用状況がバッテリーを上げてしまう条件になっていないかチェックして改善しましょう。

ブースターケーブルは安く手に入りますが、救援車が居なければ使えません。自力で解決できるジャンプスターターは事前に入手しておくと安心でしょう。ロードサービスも受けれるようにしておけば、さらに安心です。