軽自動車は何人乗りまで大丈夫?法的な定員数と車種による違いを解説

女性や若年層などを中心に人気の高い軽自動車。軽自動車の中でもっとも売れているホンダN-BOXは、2018年の年間販売台数が24万1,870台という驚異的な数字です。そんな軽自動車ですが、「何人乗りまでOKなの?」「普通車とは違うの?」このような疑問を解決すべく、軽自動車は何人乗りなのかを解説します。

軽自動車は何人乗り?


軽自動車は何人乗りなのかといった、乗車定員を含めた【軽自動車規格】は、道路運送車両法によって定められた日本独自のものです。海外には軽自動車というジャンルは存在せず、日本の軽自動車は、車体サイズでは欧州のAセグメント(全長3,750mm以下、全幅1,650mm以下の乗用車)に属する車になります。

軽自動車の規格は4人以下前提

道路運送車両法では、軽自動車の乗車定員は4名以下が前提となっています。軽自動車規格によると、車体サイズが全長3.4m以下・全幅1.48m以下・全高2m以下で、エンジンの排気量は660cc以下、貨物積載量は350kg以下となっています。

現在適用されているこの軽自動車規格は、1998年10月の法改正によって決定したもので、世界的に厳しさを増す自動車の安全基準や、環境基準に従って定められたものです。

12歳以下の子供は3人で大人2人分

道路運送車両法では軽自動車の乗車定員は「4人前提」となっていますが、具体的に乗車人数について定めた文言は存在しません。つまり、正確に軽自動車は4人乗りまでと定めた法律はないことになります。

この4人乗りという数字が登場したのは、1955年に当時の通産省が発表した【国民車構想】が最初です。国民車構想とは、まだ自動車が庶民にとって高嶺の花だった頃、国民の誰もが購入することができる車を作ろうという、国を上げての一大プロジェクトとして話題となったものです。

この国民車構想とは以下のようなもので、その中に乗車定員についての記載があります。

  • 最高時速100km以上。
  • 乗車定員定員4人又は2人と100kg(キログラム)以上の貨物が積めること。
  • エンジン排気量350~500cc。
  • 燃費30km/L以上。(平地で時速60km走行時)
  • 販売価格25万円以下である。(月産2000台で生産価格は15万円以下)
  • 車重400kg

この中の「乗車定員は4人または2人」という文言の名残から、軽自動車では車検証に「定員は4名以下」または「2名以下」と記入されているものと考えられます。そのため、車検証上の乗車定員を越える人数を乗せて走行した場合は、道路交通法違反となっているのでしょう。

この乗車定員には例外が認められており、以下のような文言が記されています。

  • 道路運送車両の保安基準
    第53条 第2項 前項の乗車定員は、12歳以上の者の数をもって表すものとする。この場合において、12歳以上の者1人は、12歳未満の小児又は幼児1.5人に相当するものとする。

つまり、「大人2人と子供3人」や「大人1人と子供4人」では5人ではなく4人となるため、違反にはなりません。実際には6歳未満の子供にはチャイルドシートの使用が義務付けられているため、0~5歳の子供には大人1人分のスペースが必要になります。

ですが、夫婦と子供3人(6~12歳)の五人家族では子供3人分で大人2人という計算になり、子供が12歳以上になるまでは、家族揃ってドライブに出掛けられることをぜひ知っておきましょう。

4人以上乗っていた際の罰則と罰金


軽自動車に大人が4人以上乗って走行した場合、どのような違反となるのでしょうか。具体的な罰則や罰金などについて説明します。

定員外乗車違反

軽自動車に大人が4人以上乗っていた場合、車検証上の乗車定員に違反していることで【定員外乗車違反】となります。その理由は、走行に危険を伴うためで、軽自動車に限らずあらゆる車が対象です。軽自動車の場合は、罰則として減点1点、罰金6,000円が課せられます。

乗車積載方法違反

定員外乗車違反の他に注意すべきなのは【乗車積載方法違反】です。これは、座席ではなく荷室に人を乗せたり、車内に走行の妨げになるような荷物の置き方をした場合に適用される法律です。こちらも軽自動車では、罰則として減点1点、罰金6,000円が課せられます。

乗車積載方法違反は、助手席の窓にサンシェードやカーテンを取り付けたままで走行したり、ドライバーが犬などのペットを、膝の上にのせた状態で運転する場合も対象となるため注意しましょう。ただし、助手席にカバンなどの物を置くのは、運転の妨げにはならないため、対象とはなりません。

4人以上乗る際のその他注意点


軽自動車に大人が4人以上乗った場合、道路交通法違反の他にも注意すべき点があります。

任意保険の補償対象外に

軽自動車で乗車定員数を超える人数を乗せて走行し、事故を起こした場合は、任意保険の補償対象にはならないのでしょうか?結論を述べると、定員数を超えていた場合であっても、きちんと補償はされます。理由は、正規の乗車装置または当該装置のある室内に搭乗中の者は対象となるからで、定員オーバーでも車内の座席に座っていた場合は大丈夫です。

ただし、任意保険の規約には「極めて異常かつ危険な方法で搭乗している者は除く」という条項が存在するため、荷室に人が乗るといった場合には、補償対象外となる可能性があります。

例外条件下の5人乗りしやすい軽自動車


乗車定員が4人の軽自動車も、子供が3人なら例外として、大人2人と5人を乗せて走行が可能です。子供が3人の5人家族で使うなら、車内空間が広いワゴンタイプが最適でしょう。今では、同じ軽ワゴンでも、好みに合わせていろいろ選べるのが楽しいです。

スズキ「ハスラー」

ハスラーは、スズキの軽トールワゴン ワゴンRがベースの軽自動車のクロスオーバーSUVです。

サイズ

ハスラーのボディサイズは、全長約3.4m×全幅1.5m×全高1.6mの、長さと幅は軽自動車規格目いっぱいのサイズ。ただし、ボンネットがやや長い分、室内スペースは軽トールワゴンより劣ります。

燃費

ハスラーの燃費は、自然吸気エンジン車でカタログ値が32.0km/L、実燃費が18.93km/Lと非常に優秀です。

車内空間

車内空間は、シートアレンジが多彩で使い勝手に優れ、後部座席に子供3人が乗ってもゆとりがありますが、ワゴンRほどは広くありません。

デザイン

デザインはSUVらしく最低地上高が大きく、ワイルドでキュートといった雰囲気が人気の秘密。サル顔のフロントマスクも愛嬌たっぷりです。

リセールバリュー

ハスラーの売れ筋グレード【Fリミテッド】(新車価格130万円)の、2年落ち走行2万kmでの買取相場は95万円で、リセールバリュー率は73%と優秀です。リセールを挙げるには、レーダーブレーキサポートなど安全装備をつけたパックを購入すること。

また、ターボモデルよりも自然吸気エンジン車の方がリセールが良く、どうしても欲しいのでなければ、無理に価格の高いターボ車を選ぶことはないでしょう。

ダイハツ「ムーヴ」

ムーブは、ワゴンRのライバルとなる軽トールワゴンとして、歴史あるモデルです。

サイズ

ボディサイズは、全長約3.4m×全幅1.5m×全高1.6mと、軽自動車枠いっぱいのサイズ。ムーブは、室内の床が低く頭上空間にゆとりがあるため車内はより開放的です。

燃費

燃費は、自然吸気エンジン車でカタログ値31.0km/L、実燃費19.08km/Lとハイブリッドカー並みに優秀。ただエンジンのパワフルさでは、他社のライバルにやや劣ります。

車内空間

ムーブは、軽トールワゴンらしく、室内空間はゆったりと広々しています。車内には、小物入れや荷掛けフックなど便利なアイディアがいっぱいで、家族で楽しむのに最適な車です。

デザイン

デザインは、シンプルで親しみやすい標準モデルと、精悍で都会的なカスタムの二種類を用意。いずれも、直線基調でムダな装飾がなく、ダイハツデザインのセンスが光っています。

リセールバリュー

ムーブの売れ筋グレード【カスタム X ハイパーSA II 】(新車価格138万円)の、2年落ち走行2万kmでの買取相場は83万5,000円で、リセールバリュー率は61%です。ムーブのリセールを上げたいなら、先進の予防安全装備スマアシⅡは外せません。

ホンダ「N-BOX」

登場以来、爆発的な人気で軽自動車市場を席巻し続けているのが、軽スーパーハイトワゴンのホンダN-BOXです。N-BOXは、室内の居住性と使い勝手、快適性と優れた走行性能といった、あらゆる面でライバルの一歩先を行くのが魅力です。

サイズ

ボディサイズは、全長約3.4m×全幅1.5m×全高1.8mという軽自動車規格に目いっぱいな上に、通常の軽ワゴンよりも高さで勝るため、車内の使い勝手は抜群に優れています。

燃費

燃費は、自然吸気エンジン車でカタログ値27.0km/L、実燃費が17.51km/Lです。軽スーパーハイトワゴンのN-BOXは重量がやや重いため、通常の軽トールワゴンより燃費は劣りますが、それでも十分に優れた燃費を達成しています。

車内空間

N-BOXの最大の利点は、室内空間がゆったりしていること。低床設計で車内の床が低く、なおかつ天井が高いために、小さい子供なら車内で立ち上がっても平気です。まさに軽自動車のLクラスミニバンで、子供たちと楽しむのに打ってつけの車です。

デザイン

デザインは、その名の通りBOX(箱)そのもの。ですが、細かなディテールに工夫を凝らすことで、軽自動車ながらゴージャスな雰囲気を演出。所有欲が満たされます。

リセールバリュー

N-BOXは、非常にリセールバリューの高い車で、人気グレードの【カスタムG Lパッケージ】(新車価格144万円)の、2年落ち走行2万kmでの買取相場は110万7,000円で、リセールバリュー率は77%です。ノーマルモデルよりも、カスタムの方がリセールが高い傾向となっています。

2人乗りの軽自動車はどんなものがある?


軽自動車には、4人乗りだけでなくそれ以外のタイプも存在し、過去には注目のモデルも多くありました。2人乗りというと、ダイハツ コペンやスーパーセブン130のようなオープンスポーツカーを連想しますが、他にも実用的な車や商用車なども存在し、バリエーションが豊富です。

スズキ「ツイン」

ツインは、メルセデスベンツのスマートに対抗して登場した、二人乗りの軽シティーコミューターです。

サイズ

ツインの車体は、全長約2.7m×全幅1.5m×全高1.5mで、何と全長が3mを大きく下回るミニマムサイズが特徴。

燃費

燃費は、5速マニュアル車でカタログ値26.0km/L、実燃費22.35km/Lととっても優秀です。やはり、車両重量がたったの570kgという軽い車体が効いています。

車内空間

車内空間は必要最小限といったところで、屋根が低いために、どうしても閉所感は否めません。

デザイン

デザインは、ウルトラマンみたいな顔がかわいらしいですが、スマートのような洗練された感じはなく、全体にチープな印象です。

リセールバリュー

ツインは、生産終了から10年以上が経過しているため、買取価格は5万~16万円といったところです。リセールバリューはあまり期待できませんが、強いてあげるなら希少価値をアピールすることでしょう。

ダイハツ「ミゼットⅡカーゴDタイプ」

ミゼットⅡは、戦後復興で大活躍した軽三輪トラック、ミゼットの復刻版的モデルです。カーゴDタイプは、荷台部分に箱形の屋根をかぶせたバンタイプです。

サイズ

車体サイズは、全長約2.8m×全幅1.3m×全高1.7mと、非常にコンパクト。狭い道でもスイスイ入っていける便利さを追求しています。

燃費

燃費は、4速のマニュアル車で、カタログ値20.0km/L、実燃費14.0km/Lとなかなかの数字。ただ、580kgしかない車両重量を考えると、もう少し燃費は欲しいところです。

車内空間

ミゼットⅡカーゴの室内は、極めて狭く、実質1人乗りと考えるのが正解です。背が高いため、荷室は十分な広さがあります。

デザイン

フロント部の真ん中にスペアタイヤを取り付け、左右にカエルのようなヘッドライトを配置した、ユニークなデザイン。軍用車的な雰囲気があるため、カスタムのベース車に最適でしょう。

リセールバリュー

生産終了からほぼ20年が経過しているミゼットⅡは、リセールバリューは判断が難しいところ。とはいえ、マニアが存在するため確実に需要はあり、買取店によっては高値が期待できます。買取相場は1万円~48万円となっています。

ホンダ「S660」

S660は、ミッドシップレイアウトを採用した、本格的な軽オープンスポーツカーとして人気の車です。

サイズ

ボディサイズは、全長約3.4m×全幅1.5m×全高1.2m。車幅が広くて車高が低い、スポーツカー的なスタイリングです。

燃費

燃費は、カタログ値で24.2km/L、実燃費が17.14km/Lとまずまず。やはりターボエンジンで、走り重視のセッティングが燃費をやや下げています。

車内空間

走りを楽しむために生まれてきたS660は、車内は相当に狭く、荷物を積むスペースもあまりありません。その代わりに、軽自動車とは思えない、操縦する楽しさがあります。

デザイン

デザインは、ミッドシップであることを強調しているような作りで、スポーツカーをギュッと小さくした印象で角度によっては軽自動車に見えません。

リセールバリュー

S660の人気グレード【αブルーノレザーエディション】(新車価格211万円)の、2年落ち走行2万kmでの買取相場は138万5,000円で、リセールバリュー率は66%です。サーキット走行も楽しめる軽スポーツ、S660はマニアに人気があり、リセールを上げるには欲しい人に直接売るのが最善でしょう。

まとめ


軽自動車の乗車定員は大人4人乗りで、12歳未満の子供の場合は、3人で大人2人として換算される例外があります。違反をすると、罰則として減点1と罰金6,000円が課せられるため、注意が必要です。

定員4人の軽自動車に、大人2人と子供3人の5人乗車しても例外として違反になりませんが、定員2名の場合は、大人1人に子供2人で乗っても3人乗りとみなされます。見つかった場合は罰則と罰金が課せられてしまうので、ルールを守って安全に楽しく走行しましょう!