中古車オークションでクルマを売買するには?種類や注意点を解説

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中古車を購入しようと思ったら、最近ではネットの中古車専門サイトで検索して、中古車専門の販売店やディーラー系の中古車販売店に出向くことを考えると思います。また愛車を売却や下取りに出したいと思ったら、中古車買取専門店で売却したり、ディラーでクルマ購入と同時に下取りしてもらう流れが一般的です。

これら以外にクルマを売買できる方法として「中古車オークション」というものがあります。最近では中古車オークションを利用する人が増えてきて認知も高まってきていますが、まだ知らない人の方が多いと思います。

そこで今回は、中古車オークションとはどんなものなのか、実際に利用するにはどうすればよいのか、そして利用したときのメリットやデメリットについてお伝えします。

中古車オークションとは?

オークションという言葉なら、多くの人が聞いたことがあり知っていると思います。オークションとは「セリ売り」とか「競売」の意味です。このオークションが中古車市場でも行われていて、「中古車オークション」と呼ばれているのです。

中古車オークションのしくみ

中古車オークションのしくみを簡単に説明すると、「中古車販売業者」が売りたい中古車をセリに出して「中古車買取業者」がセリ落として中古車を手に入れます。中古車オークションは基本的に業者間で行われるものなのです。

ではなぜ、中古車を取り扱う業者間で中古車オークションが行われるのでしょうか。

まず、中古車販売業者は販売する中古車を数多く取り揃える必要があります。個人が売却に持ってきた中古車の数だけでは、いつも満足できる台数を確保できないことがあります。そのため中古車販売業者は「仕入れ」という形で中古車オークションを利用しています。

また、中古車買取業者は買取した中古車をできるだけ早く販売して利益を得る必要があります。基本的には個人に対して中古車を販売して利益を得るのですが、なかなか売れない中古車があると目標としている販売台数が達成できないことがあります。そのため中古車買取業者は「卸し」という形で中古車オークションを利用しています。

このように中古車オークションは、中古車販売業者と中古車買取業者の仕入れと卸しを取り持つ「橋渡し」的な役割で存在しています。

中古車オークションの種類

中古車オークションは大きく分けて2つあります。それは「業者向け」と「個人向け」です。また、業者向け中古車オークションには3種類あります。それぞれを見てみましょう。

業者向け中古車オークション

業者向け中古車オークションには以下の3種類があります。それぞれの特徴を見てみましょう。

JU(中販連)系オークション

JU(中販連)系オークションとは、JU(一般社団法人 日本中古自動車販売協会連合会、略して「中販連」)を母体とした中古車オークション。JU系(中販連)オークションに参加している業者は、おもにに中古車販売店になります。JU系(中販連)オークションは1975年から行われており、事業所は全国に10,802社(2020年3月末現在)で、オークション特別参加者は29,346社が登録しています。

JU系(中販連)オークションは、全国に多くのオークション会場と会員数があるため、希望する中古車を見つけやすいメリットがありますが、ほかの中古車オークションに比べると、オークション会場の設備やシステムが古いところがデメリットでしょう。

メーカー・ディーラー系オークション

メーカー・ディーラー系オークションとは、トヨタやホンダなど自動車メーカーが主導で運営する中古車オークション。そのため、ディーラーから出品される中古車が集まりやすくなっています。

メーカー・ディーラー系オークションに参加している会員はメーカー系のディーラーがほとんどなので、出品される中古車の品質が良く成約率が高いという特徴があります。始まった当初は、メーカーやディーラーしか参加できないという会場が多かったのですが、最近では会員であればだれでも参加できるようになってきました。

中古車オークション専業者

中古車オークション専業者とは、中古車オークションを運営している企業のことで、代表的な企業としては「USS(ユーエスエス)」と中古車買取専門店の「ガリバー」です。現在では、この中古車オークション専業者による中古車オークションがもっとも盛り上がっています。

USSは東証1部上場企業で、1開催で15,000台ほど出品があり6台同時にセリが行われるという東京会場をメインに、全国に19の会場を持っており、毎週平均50,000台を超える出品台数を実現し、成約に要する1台当たりのセリ時間は約20秒というマンモスクラスです。

ガリバーは全国のガリバー店舗で買取された中古車がセリにかけられることから、出品される中古車が新鮮で人気があります。また、インターネットを使ったオークションを展開することで、会場に行けない会員もセリに参加できるのが特徴です。

個人向け中古車オークション

個人向けの中古車オークションとしては「ヤフオク」が一番有名で、その他には「モバオク」もあります。簡単な手続きと毎月数百円の会費を支払ってアカウントさえ作れれば、誰でもオークションに参加することが可能です。参加方法は他の商品と同じで、参加者は中古車を出品・落札どちらにも参加できます。

中には中古車販売店などの業者が、個人向けオークションに出品している場合もあります。

中古車オークションに参加するには?

個人向けの中古車オークションに参加する方法は先ほどお伝えしましたが、業者向け中古車オークションに参加するにはどうすればよいのでしょうか。

業者向け中古車オークションへの参加条件

業者向け中古車オークションに参加するには会員になることが必要です。中古車オークションの会場ごとに違いはありますが、会員になるためには基本的に以下の条件を満たす必要があります。

  • 古物商許可証を取得後1年以上経過していること
  • 不動産(土地)を単独所有している連帯保証人がいること
  • 車を売買する為の店舗・事業所があること
  • 法人の登記簿謄本、もしくは個人事業主の屋号があること
  • 保証金10万円を収めることができること

そして3万円~5万円の入会金や社長を含めて2名の連帯保証人を立てる必要があります。いち個人でこの条件を満たすのは困難だということがお分かりいただけたと思います。業者向けオークションには個人で参加することは不可能なのです。

中古車オークション代行業者に依頼する

個人が業者向けオークションを利用するには、中古車オークション代行業者に依頼する方法があります。こちらの出品・落札の希望を伝えて代行手数料を支払い、代わりに業者向けオークションに参加してもらい希望通りの出品・落札をしてもらうのです。

出品・落札それぞれの基本的な流れは以下になります。

出品の流れ

  1. 代行業者に出品代行手数料を支払って希望する最低落札価格などを伝える
  2. 代行業者に出品するクルマと車検証などの必要書類を預ける
  3. 代行業者が出品するクルマをオークション会場に持ち込み出品する
  4. 落札されれば成約料などを代行業者に支払う
  5. 代行業者から代金が振り込まれる

落札の流れ

  1. 代行業者に落札代行手数料を支払ってオークションに参加する
  2. 代行業者から届く出品リストから入札の候補を選んで伝える
  3. オークション当日は現車の状態を確認するために会場の代行業者と連絡を取り合う
  4. 欲しいクルマが見つかれば落札上限価格を伝えて入札に参加する
  5. 落札が決まれば車両代金を代行業者に支払う
  6. 落札したクルマを手に入れる

中古車オークションを利用するメリット・デメリット

中古車オークションを利用すると、普通に中古車を購入するよりもメリットがいくつもあります。しかし、逆にデメリットもあります。中古車オークションにおける具体的なメリットとデメリットをお伝えします。

メリット

高く売れる・安く買える

中古車買取業者やディーラーよりも高く売れて、中古車販売店よりも安く買えることは、中古車オークションにおける一番のメリットと言えるでしょう。買取業者や販売店は人件費や広告宣伝費などがかかっているので、その分だけ安く買取したり販売価格に上乗して販売します。しかし中古車オークションでは、これらの費用が一切かからないので、その分高く売れて安く買えるのです。

レアなクルマでも売買しやすい

中古車販売店ではなかなか見つけられないレアなクルマでも、中古車オークションなら見つけやすい場合があります。その理由は、レアなクルマになると普通に買取業者へ売却しても買い手が少ない=売りにくい、ということで安く買取られる可能性が高く、中古車オークションに流れてくることがあるのです。

レアなクルマを売却したい人にとっては、価値を分かってくれる買取業者を自分で探すのは一苦労です。しかし中古車オークションに出品すれば、一度に多くの業者に見てもらうことができるので希望通りの売却価格で売れる可能性が高くなります。

未公開の優良中古車が見つけられる

中古車販売店でたまに見かける優良中古車の中には、中古車オークションで落札されたものもあります。中古車オークションに参加すれば、このような優良中古車を市場に出回る前に見つけて購入することが可能になります。

デメリット

売買に時間がかかる

中古車オークションに出品される中古車の台数はとても多いのですが、希望する条件によってはなかなか見つからず、すぐに購入できない場合があります。これはクルマを売却するために出品する側も同じで、最低落札価格の設定によっては、すぐに売れない場合があります。

現車を自分で見ることができない

オークション会場には代行業者の人しか入れないため、自分自身の目で現車を見て落札を決めることができません。代行業者の判断を信じるしかないのです。

出品のたびに手数料がかかる場合がある

オークション代行業者によっては、出品のたびに手数料がかかる場合があります。出品するためにはクルマをオークション会場へ持ち込む手間がかかるためです。

購入後のトラブルは自己責任

落札したクルマがその後、何らかのトラブルや故障を起こしたりキズがついていたりしても、返品はおろか修理対応などもしてもらえない場合があります。

中古車オークションを利用する上での注意点

中古車オークションの特徴やメリット・デメリットから、利用する上での注意点をお伝えしておきます。

信頼できる業者や相手を選ぶ

オークション代行業者を利用して中古車オークションに参加する場合、代行業者の選定には十分に注意してください。中には落札価格を虚偽申請して不当に利益を得ようとする業者が存在するのも事実です。代行業者の選定をするときに注目するポイントは、上場企業か、長年営業していて実績があるか、応対はしっかりしているか、などになります。

個人向けの中古車オークションでは、相手の過去の取引実績や取引相手の評価・コメントを細かくチェックして、取引しても大丈夫な相手なのかを見極めるようにしましょう。出品者がオークションサイトに登録したばかりで評価がほとんど無い場合は、オークションサイトを通じて質問などのやり取りを何度かして、信頼できる相手なのか判断するようにしましょう。

返品や保証などを事前にチェック

お目当てのクルマを安く買えても、そのあとに故障などのトラブルが起こり、修理にお金がかかってしまっては意味がありません。返品や保証などがある代行業者なのかを事前にチェックするようにしましょう。

個人向けの中古車オークションでは、基本的に返品や保証などはなく「ノークレーム・ノーリターン」と事前告知されていることがほとんどです。また出品されているクルマは、基本的に整備などされていませんので注意しましょう。

まとめ

中古車オークションには、業者向けでも個人向けでも「高く売れて安く買える」という大きなメリットがあります。その反面、取引に時間がかかるなどのデメリットもあります。

そしてあまり中古車業界やクルマに詳しくない人にとっては、オークション代行業者を選定したり、取引相手を見極めるのは難しいところがあります。

中古車オークションを利用する場合には、今回の記事を参考にしていただき、トラブルなく理想とする売買が行えるようにしましょう。