車のローンがあると住宅ローンを組めない?審査に通る2つのコツを紹介

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「ローンを組んで車を買ったことが住宅ローン審査で不利になるのでは?」
このような不安を感じている方のために車のローンと住宅ローンの組み合わせについて解説いたします。

賢い順番でローンを組む方法やダブルローンで審査に通りやすくする2つのコツを是非参考にしていただけると嬉しいです。

車のローンがあると住宅ローンが組めないって本当?

住宅ローンの利用を検討しながら、マイカーローンがあると住宅ローンに落ちやすくなることを懸念している方もおられるでしょう。

「車のローンがあると住宅ローンが組めない」という情報は果たして正しいのでしょうか。車のローンが住宅ローンに与える影響やローンの仕組みについて解説いたします。

審査の重要な要素「返済利率」

車のローンがあると住宅ローンの審査に落ちやすくなると言われる1つの要素は「返済利率」です。住宅ローンの審査基準の中には資産価値や勤務先、勤続年数、年収などがあります。中でも最も重要視されるものは返済利率、つまり年収に占める年間返済額の割合です。

審査に通る返済利率の基準となる数値はローンを組む銀行や会社によって異なり、公表されていません。一般的に20~35%の返済利率であれば住宅ローンに通りやすいとされています。

例えば、年収300万円の場合は返済利率20%は(300万円×20%=)60万円。返済利率35%は(300万円×35%=)105万円。よって、60~105万円の年間返済額に収まれば住宅ローンを組める確率が上がるといえます。

車のローンに影響する返済利率

住宅ローンの審査で重要な要素である返済利率について簡単に説明しました。では、車のローンを組んだことが返済利率にどのように影響するのでしょうか。

住宅ローンに限らず、ローンを組むときは借入額そのものではなく年収に対しての年間返済額の割合が審査されます。このことを頭において次の例を考えてみましょう。

総額200万円の車を購入するためにローンを組むとします。

【借入例1】
月々支払額:1万円
ボーナス払い:10万円
返済年数:6年

毎月の返済額は1万円でとても小さな額に思えるかもしれませんが、年間返済額はどうでしょうか。月々支払額(1万円)×12回+ボーナス払い(10万円)×2回=32万円となります。

では、次の例も見てみましょう。購入する車は同じで総額200万円とします。

【借入例2】
月々支払額:16,700円
ボーナス払い:なし
返済年数:10年
年間返済額を計算してみましょう。月々支払額(16,700円)×12回=200,400円。約20万円です。

借入例2と比べて10万円近くの差が出ています。ローンに影響するのは年間返済額ですから、住宅ローンを組む予定のある方は車のローンを組む際に出来るだけ年間返済額が小さくなる方法を選ぶようにおすすめします。

車と住宅のダブルローンを組む例

車のローンを組むときに考慮できる返済利率についてご紹介しました。では、住宅ローンを組む前に自分の融資してもらえる金額を逆算することはできないのでしょうか。

もちろん、できます。車と住宅のダブルローンを組むことを検討しておられる方のために1つの例を紹介しましょう。

  • 年収:500万円
  • 車のローン:月々2万円 ボーナス払い20万円

住宅ローンを申し込む銀行先の返済利率が25%だとすると、年収500万円の人は年間返済額125万円まで許容されています。(500万円×25%)

住宅ローンの支払い年数や利子などを考慮すると、総額3200万円程度の住宅ローンを組める計算になります。しかし、既に車のローンを組んでいるので銀行に年間返済額125万円以上のローンを申し込んでも審査に落ちてしますでしょう。

この例では、車のローンによる年間返済額が月々支払額(2万円)×12回+ボーナス払い(20万円)×2回で64万円になっています。単純計算して最高年間返済額125万円‐64万円。住宅ローンで組めるのは年間返済額61万円分という結果になります。

銀行によって返済利率は異なりますし、車のローンの組み方によってもどれほどの住宅ローンを組めるかは変わってきます。しかし、この例にあるような方法で計算すると自分が現在検討している住宅ローンが果たして組めるかどうかをあらかじめ把握できるでしょう。

ローンを組むときは順番が大切

車のローンと住宅ローン。検討中ではあるがまだどちらも申し込んではいないという方のために賢い順番について説明します。

ローン審査は一度落ちてしまうと、2回目または別の銀行へのローン申し込みも難しくなってしまうので慎重に進めましょう。

住宅ローンの前に車ローンを組むと審査に通りづらい

車のローンがると住宅ローンの借入可能額が少なくなります。そのことを理解せずに借入可能額を超えたローンを申し込むことによって審査に通らないというケースが多くあります。

もちろん、車のローンがあるかないかに関わらず現在までの返済状況がクリーンであることは絶対条件です。

車のローンを借りている場合となんのローンも抱えていない場合とでは、毎月の返済額上限がどのように異なるのかを表にして説明しましょう。

【例】
年収500万円
返済比率35%
住宅ローン:固定金利1.2% 借入期間35年
車ローン:固定金利2.5% 借入期間10年 借入金額300万円

 

毎月返済額上限 車ローン
毎月返済額
住宅ローン
毎月返済額上限
住宅ローンの上限
車のローン有 145,800円 28,280円 117,520円 約4,028万円
車のローン無 145,800円 0円 145,800円 約4,999万円

参考URL:ローンシミュレーション

車のローンを組んでいる場合、約4000万円以上の住宅ローンを組もうとすると高確率で審査に落ちます。しかし、車のローンを組んでいれば約4,999万円の住宅ローンを組むことができるのです。できれば、何のローンも抱えていない状態で住宅ローンを申し込むことをおすすめします。

住宅ローンの審査通過までは車のローンを申し込まない

車のローンと住宅ローンでは融資額の桁が違います。住宅ローンを利用したいのであれば車のローンが影響しないようにしましょう。そのために、住宅ローンの審査通過までは車のローンを申し込まないようにしてください。

できれば、車は現金一括、または残金一括払いできる現金を手元に置いておいて購入することをおすすめします。どうしても、車もローンを組んで購入したいという場合は住宅ローンの審査に通過した後に、審査の通りやすいローンの種類を選んで申し込むと良いでしょう。

住宅ローンと車ローンをまとめられる?

住宅ローンと車のローンの申し込み順序を賢く進めれば問題ありませんが、別々で審査を受けるのは面倒だからまとめて借りたいと考える方もおられるでしょう。住宅ローンと車ローンを一つにまとめることはできるのでしょうか。

住宅ローンに車のローン上乗せは バレたら一括返済

結論から言えば、できません。住宅ローンは家の購入に関して利用できますが、マイカーローンなどの金融機関が提供するローンは目的によって異なります。内容が異なる2つのローンをまとめることはできません。

では、住宅ローンを組む際に実際に購入する住宅の総額に購入したい車の金額を上乗せしてもらえばいいのでは?と考えるでしょうか。物件価格以上の住宅ローンを組むことをオーバーローンといいます。

オーバーローンが銀行にばれると一括返済になる場合もあります。それだけではありません、住宅ローンは住宅ローン控除の優遇措置を受けるために使うため住宅に対してのみしか利用できません。ですから、もし住宅ローンに車を購入するための金額を水ませ申請すれば違法となります。

車ローンがあっても住宅ローン審査に通る2つのコツ

既に車のローンを組んで購入してしまった場合はどうすればいいのでしょうか。車ローンがあっても住宅ローンに通りやすくするための2つのコツを紹介します。

車ローンの全額返済

一番確実な方法は車ローンを全額返済することです。ローンの種類にも寄りますが月々の返済額が徐々に多くなる方法でローンを組んでいる場合、返済利率に与える影響が大きくなり住宅ローンの審査に落ちやすくなります。

住宅ローンの審査に申し込む2か月前までに完済することをおすすめします。直前まで間に合わなかった場合は車のローンを組んだ会社に完済証明書を作成してもらいましょう。そうすれば、もし個人信用情報に完済が登録反映されなくても大丈夫です。

頭金を用意する

2つ目のコツは頭金を用意することです。もし、車のローンを一括返済できる現金が手元にあるのであれば払ってしまった方が良いのですが、完済はできないがまとまったお金があるという場合には住宅ローンの頭金に使いましょう。

銀行は頭金を評価してくれやすい金融機関です。頭金は長期間の貯蓄が出来ている人として信頼される要素となります。

審査に落ちても諦めないことが大事

車のローンがあること住宅ローンの審査に落ちてしまったとします。しかし、そこであきらめないでください。金融機関側から審査に落ちた理由の詳細を離せないことになっていますが、こちら側から質問すればある程度のことは答えてくれます。

金融機関としては融資したいという気持ちがあるわけですから、ローンを組める可能性が高まる条件を伝えられるチャンスを逃しません。審査に落ちたことが伝えられたら、すぐに次のように質問してください。

「頭金をどれくらい用意すればいいですか?」

きっと、ローンの返済期間や頭金の金額など、審査に通りやすくなる条件を教えてくれることでしょう。

車ローンと住宅ローンを合わせれば信用構築ができる

銀行で車ローンと住宅ローンをどちらも組むことにはメリットがあります。住宅ローンは返済期間が35年と長いため信用構築までに時間がかかりますが、車のローンは長くても8年程です。

車のローンと住宅ローンをどちらも申し込んで審査に通り、車のローンを完済したとなると大きな信用構築につながります。「この人なら安心して融資できる」と判断されて、その先のローン契約にも良い影響を与えるでしょう。

まとめ

車のローンと住宅のローンをどちらも組むことができないということはありません。しかし、車のローンを先に組んでしまうと年間返済額の割合に影響し住宅ローンの審査に落ち約少なります。

ダブルローンを組むのであれば住宅ローンを先に申し込み、審査通過したのちにマイカーローンを申し込むという順番で行いましょう。住宅ローンに車購入代金を割り増し申請することは絶対におすすめできません。

自分の年収と年間返済可能額を良く考えて計画的にローンを組みましょう。ローン審査に落ちたとしても融資可能になるためのアドバイスを聞くことはできます。賢くローンを組んでホームと車の両方を手に入れましょう。